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オーナーシェフのプロフィール
- 開店日9月6日が59才の誕生日
- 関西の大手電器メーカーで海外関係に従事
- スペインに4年、フランスに5年、アメリカに3年、海外出向勤務
- 思うところあり56才で早期退職
- 辻学園調理・製菓専門学校に1年通い調理師免許取得
- スペイン語と英語はOK、フランス語とイタリア語は少々
生活をエンジョイする文化長い間ヨーロッパの方々と仕事をして、つくづく感じたのは、仕事以外のプライベートの生活を大事にし、また、生活をエンジョイされていることである。「家族を大事にする」、「バカンスを楽しむ」、「飲食を楽しむ」、「ホームパーティーをよくやる」、「グルメだけど健康的な飲食をベースにする」ということに具現化されている。 定年退職後なにをやろうかと悩む日本人。生活が安定できれば一刻も早く仕事をやめフリーな生活をエンジョイしたい欧州人。 私は、京都生まれ京都育ちの純日本人。でも自分の価値観は欧州人に近くなってしまっていると思う。 |
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一方、私は、20代に交通事故で3回死にそこなっている。30代以降の人生はどこの神様か知らないが、この世で何かをするために生かされていると考えていた。だから、大げさに言えば自己犠牲の上に周りの人のため、会社のため一生懸命仕事をしてきた。 でも、50代の後半に入り、自分がエンジョイしていなければ周りの人にもエンジョイしてもらえないと考えが変わってきた。結果、56才の誕生日に会社を退職し、自分も周りの人もエンジョイできるライフワークづくりを開始した。 具現化するのに3年かかった。1年はせっかくやめた会社生活をまたやってしまった。でもその間に、次の1年、調理師専門学校へ通う学費が出来た。 |
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欧州食べ歩き旅行残りの1年はいろいろな準備と旅行に使った。日本国内をほとんど旅行する機会がなかっただけに、趣味のバイクツーリングであちこち走り回った。四国一周。中国地方一周、東北地方一周、九州地方一周。あと、北海道を楽しみに残してある。店の改装に入る前に、フランス、イタリア、スペインを38日かけて、レンタカーで食べ歩き(いや、走りかな)の旅をしてきた。 南仏の片田舎のリゾートホテルでプロバンス料理教室にも参加してきた。ホテルのオーナーシェフが奥さんと息子にホテルを任せ、近くの農場を買い取り、そこで、ハーブや、野菜、果物などを作りながら、農家を改装したキッチンで教室を開いているのだ。 日曜日にホテルにチェックイン。ホテルにはプールもスパもある。月曜日の9時から教室はスタート。まず、農園でハーブ摘みから始まる。1時ごろまで料理し、自分たちで作ったものを、オープンテラスでみんなで、ワインを傾けながら食べる。そしておしゃべり。食事が終わるのは3時半くらいだ。それからは、昼寝良し、海岸へ出かけるのも良し、プールサイドでおしゃべりも良し。 教室の生徒メンバーがまた良い。アイルランド人の夫とイングランド人の夫人。最近までアメリカでビジネスをやっていたが、ビジネスをたたんでイギリスに戻った。そして、二人の趣味は料理。プロバンスへバケーションをかねて教室へ。 もうひとつのイギリス人のご夫婦はフランス中部の田舎に家を買って、一年の半分はフランスで暮らしている。当然仕事はしていない。ごく普通の退職者。 もうひとつのカップルはドイツ人。ご主人がまだビジネスをやっているがそろそろリタイヤーしようかなという感じ。奥さんがプロバンス料理が好きで、夫はお付き合い。初めてキッチンに立つという感じ。 最後にイギリスの若いとはいえないが中年では失礼な女性一人。一人は私とこの女性のみ。同棲中の彼は仕事で休みがとれなかったとか。 みんな、プロバンス料理が好きなだけあって、それなりにフランス語を勉強している。英語とフランス語のチャンポンの教室だった。 二日目は港に朝上がった魚を仕入れに行く。そして、それを料理。とにかく、欧州人にとっては最高の人生の楽しみ方である。 私が、帰国後プティ・レストランをやるつもりだといったら、アイリッシュの彼は、「是非とも行くよ」とのこと。本当に来るだろう。 月曜から木曜まで、教室があり、金曜はチェックアウト。結構楽しい4泊5日だった。何よりも中産階級(中の上かな)の欧州人の価値観を再確認する良い機会になった。 |
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古都にBar mioさて私は生まれ故郷の京都に戻り、染色関係の人間国宝が二人もいるご町内で欧風居酒屋 Bar mio をオープンする。京都は古い町である。でも同時に最も新しいものを好む町でもある。私の持論に「新しい文化は長い歴史があって始めて生まれる」というのがある。古い町だからこそ、新しい変わったものが似合う。そんな京都に南ヨーロッパの本物の味と香りを持ち込みたい。というより、自分が好きな酒、食べ物を持ち込みたい。自分が楽しめれば、お客さんも楽しんでもらえると考えるからである。長年のサラリーマンであったわけで、飲食店の開店準備は結構大変である。今までだったら、「あれも、これも、やらなければならない」と義務感が先行するが、今は違う。 「あれも、これも、やることが一杯あってよかったな〜ァ」「ひとつ完了、よかったな〜ァ」「つぎは、あれをやろう!!」 I have to do xxxx ではなく、 I will do xxx with pleasure と変わりつつある。 友人・知人も「大変だけど頑張って」といわれるが私は頑張らない。私はエンジョイしている。これから何年か分からないが、エンジョイできる限り、続けようと思う。重荷に感じたり、いやいや義務感でやるようになったらやめようと思う。 よりおいしいものを、より健康的なものを、より環境に良いことを、そして自分の人生がより良いものになるように、一つ一つ、一日一日をエンジョイしてゆきたいと考えている。 Vivir mejor (スペインの哲学者オルテガ・イ・ガセットの言葉、よりよく生きる)を実践してゆきたいと思う。 |
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